2016年御翼9月号その1(1)

                                         

エルヴィス・メドレーを用いた礼拝

 先々週、新生宣教団のチャペルで「エルヴィス・メドレー」を歌い、メッセージを語らせて頂いた。先週は、いのちのことば社のチャペルで、同じことをさせて頂いた。事前の情報では、このような集会で牧師が歌うことはあっても、聴衆は下を向いてしまうという。しかし、エルヴィス・メドレーは、前半はロックンロールとバラード、後半はゴスペルであり、聴衆は手拍子をしたり、笑顔で顔を向けたりと、楽しんでくれた。
 その後に、メッセージを語り出すと、既に皆、心が開かれているので、話をしやすくなる。タイトルは、「魂の働きと夢の実現」であり、内容は「可能発想」と「魂の神学」である。実例としては、「エルヴィスのトラクトを作ってください」と、思いつきで言われた荒川明子先生の言葉から、この度のいのちのことば社からのジョー・モスケイオ著『エルヴィスの真実』の出版まで導かれた話である。結果として、「夢はあきらめなくていいんだ」という思いが、聞き手に生まれたという。
 エルヴィス自身は、ブルー・スウェイド・シューズなどのロックンロールは、ミーハーな音楽だと言い、ゴスペルにこそ価値を置いていた。しかし、人の欲求を歌にしたようなロックンロールも、決して背信的な内容ものではない。それを伝道集会に用いれば、本来のメッセージ、ゴスペル(福音)を浸透させる導入、手助けとなる。このように文化・芸術を用いる者には祝福があるのだ。
 二日後、日本のエルヴィス研究の第一人者である湯川れい子先生と面会する機会が与えられた。編集部が、湯川先生に帯を書いていただいた『エルヴィスの真実』を直接手渡させていただきたいとお願いしたところ、一時間とってくださり、お話を伺えた。エルヴィスは、スターになった頃、なぜ自分に富と名声が与えられたのか分からず、神に尋ねていた。あるとき、邸宅の庭のキリスト像に雷が落ち、そのときに、「お前にはその美しい声を与えたんだ。お前が歌うことで人が元気になるのだ」とう啓示を受けたという。そこから、TCBの稲妻のロゴが生まれた(TCB=Taking Care of Business やるべきことをやろう。使命を果たそう)。また、エルヴィスは首が長いことにコンプレックスを感じていて、それを隠すために高さのある襟を衣装にしたという。そのデザインの元は、牧師や司祭の「つめいり」の襟であった。
 また、湯川先生は海軍の家系(父上が海軍大佐、兄上が兵学校71期)であるゆえ、私の父(75期)の著書(『魂の神学』)と小倉さんの『出港用意』を差し上げることができた。文化交流は、伝道につながるのであり、それが、賜物が祝されて用いられる場である。

 

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